冷めてもおいしいコーヒー
僕のつくるコーヒーは冷めてもおいしく飲める。
出来立てのコーヒーは、たいていおいしく飲めるものが多い。
でも時間が経つと味が変化して美味しさが失われがちです。
そこにはきっと理由があって、欠点豆の混入や芯まで焼けていないこと、焦げていることなどコーヒーにネガティブな要素を含んでいるのではないかと思う。
おいしいコーヒーは、当たり前のことだけれど、
まずくなる要素を持たないコーヒーで、
コーヒー農家さんが大切に育ててくれたスペシャルティコーヒーを焙煎や抽出でよりおいしい方向に持っていくことが大切だと思っている。
そのためには、焙煎前後にハンドピックをして欠点豆や未成熟豆を取り除いたり、適切な加熱で焙煎という「調理」をしていく。抽出の時も、その豆のいい部分だけを引き出すようにしている。
農園でのコーヒーチェリーの栽培から抽出して口に入るまで、一環して美味しいの方向にベクトルを合わせていく。
僕たちはあくまでその一部の焙煎と抽出を担当しているだけであり、そのベクトルを曲げないのがコーヒーへの誠意だと思っている。
当たり前のことを真面目にきちんとやる。
それが僕たち焙煎士に与えられた役割であり、
それ以上でもそれ以下でもない。
焙煎士とはとはそういうものだと思います。
2021.11.24